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てれドラぶろぐ

テレビドラマ研究家の管理人が語るドラマなどの話題

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『鈴木先生』は斬新…すぎる!!

 いやはや。ブログ更新、ご無沙汰してしまっておりました。
 すでに4月クールのドラマも終盤を迎えてしまってますね。

 そろそろ4月クールの作品から、ひとことふたこと触れていきたいと思います。
 まず、真っ先に言及したいドラマが『鈴木先生』(TX)であります。

 このドラマ、学校を舞台にしたドラマですがこれまでの学校ドラマとは少し違う。

 主人公の鈴木という先生は、生徒からも人気のある好感度の高い先生。
 ですが、そのへんの先生とはちょっと違う。
 考えがきわめて科学的です。
 生徒を管理しないようにみせて実は管理している。
 実に理路整然とした言動の先生なのですね。

 よくテレビドラマに出てくる情熱いっぱいの先生ではない。かといって管理一辺倒のガチガチの先生でもない。ある意味、常に冷静に生徒の心を見据える科学者のような態度の先生なのです。

 このドラマはそういう、科学的な態度で、組織論を教室という場に持ち込んで、密かに実験する教師のお話なのであります。

 現代というのは過剰なほど「組織論」というものが進化した社会です。
 例えば「一つの組織を活性化させる」ための組織論が存在します。それによれば、もっともよい組織の組み立ては、単純に優秀な人間ばかりそろえてもダメだといいます。さまざまな役割を担うのに長じた異なる気質の人間を組織内に効果的に配置し、異なる価値を持った人間が効果的にぶつかりあうことで触媒作用を生み、その組織から想定以上の成果を生む、ということです。
 これは現代の組織論の典型的な考え方ですが、このドラマでも第1回のクラス替えのエピソードで早くもこういう組織論の考えに立脚した態度で自分の担当するクラスの生徒選びを鈴木先生は主張します。
 第1回目の冒頭すぐのところで、早くもこの作品の独特さが発揮されていたのです。

 こういう「理系」の「心理操作に長けた」「クールな」先生を主人公にした話というのはありそうでなかった。もっともっと続けてほしいと願ってしまいます。
 余談で申し上げると、昨年から流行っていた書籍「もしドラ」を映像化するならこの『鈴木先生』のようなクールな視点での映像化が正しかったかもしれないのです。このドラマは映像化された中途半端に熱血感動的で非ドラッカー的な「もしドラ」以上にドラッカー的なドラマなのかも知れません(笑)

 小学生と性交してしまった生徒の話とか、給食を汚く食べる生徒の話。あるいは学級委員の自爆告白の話、先生の人気投票で壊れてしまう先生とか。
 思わず、画面に引き込まれて見入ってしまうほど圧倒的な誘引力がそこにはあります。演出の力もさることながら、脚本の古沢良太の『ゴンゾウ』(2008)や『外事警察』(2009)などで見せた圧倒的な筆力がここでも健在であります。(共同脚本の岩下悠子さんの回も負けずに健闘しています)

 ただ敢えてちょっと難点を申し上げますと、ドラマが後半に進んでいくにつれ、ほんの少し、展開が粗いと感じる部分が散見されています。たとえば、臼田あさ美演じる恋人がいきなり、鈴木先生が女生徒を妄想の対象にしていることを見破ったりするくだり。彼女の洞察力というのがまるで透視能力や霊能力のようなイメージで描かれていて、それまでそんな気配もなかっただけにそういう能力を当たり前のように持っている展開が出てくるあたりがいきなりで唐突感がありました。
 あるいは教室を活性化させる存在の小川蘇美が鈴木先生を好きなのではないかという噂が広がるエピソードの回などは、それまでの慎重にコトを進めてきたドラマ展開の中ではやや走りすぎの面があったように思います。冷静沈着だった鈴木先生が我を失って奇怪な言動を見せてしまうあたり、ちょっと作品の骨格を毀損してしまいそうな危うさが漂ったのです。
 このあたりは長い原作の要所要所を端折っているために出た唐突感かも知れません。

 残念ながら視聴率の面では記録的な低視聴率とのことですがぜひとも打ち切りなどせず最後までやってほしいです。そしてもしかなうことなら続編すらも見たい気分だったりするのです。


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