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てれドラぶろぐ

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俳優、田中実さん死去

 もう皆様もご存じと思いますが、数日前、俳優の田中実さんが死去されました。


http://www.daily.co.jp/gossip/article/2011/04/27/0004004432.shtml
デイリースポーツonlineより引用

44歳若すぎる死…田中実さん首つり自殺か

 俳優・田中実さん(44)が、25日に東京・大田区の自宅マンションで首をつって死んでいたことが26日、警視庁池上署などへの調べで明らかになった。同署は自殺とみて調べている。田中さんは高校卒業後に仲代達矢さん主宰の無名塾に入塾。1990年、NHK朝の連続テレビ小説凛凛と」に主演し、さわやかな好青年ぶりが人気となり、ドラマ、映画などで活躍していた。まじめな性格で知られ、近年は精神的に不安定だったと証言する関係者もいる。
  ◇  ◇
 44歳。あまりにも急ぎすぎる死だった。
 池上署と所属事務所によれば、田中さんは25日、午前11時30分から2時間ドラマの撮影の仕事が入っていたが、現場に現れず、心配したマネジャーと田中さんの母親が自宅に駆けつけたところ、窓についた落下防止用の鉄格子にマフラーをかけて首をつり、座った状態の田中さんを発見した。部屋着姿で、すでに意識はなかったという。
 すぐに母親が119番通報し、午後3時すぎに都内の病院に救急搬送されたが、同4時20分ごろ、死亡が確認された。
 いつも30分前に仕事現場に到着している田中さんが姿を見せなかったため、マネジャーは、田中さんの自宅や携帯電話に連絡をしたが、応答はなし。田中さんの妻に電話したが、仕事中だったため、妻が自宅近くに住む田中さんの母親に連絡し、駆けつけたマネジャーとともに自宅に入った。妻は午前10時前に外出したという。救急車の搬送を目撃した近所の住民によると、田中さんの足は紫色で血の気がなく、救急車に同乗する妻とみられる女性が泣きわめく声が響いていたという。
 親しい関係者は田中さんについて「非常にまじめな好青年。人当たりもよく、真っ正直な男」と口をそろえる。自殺の動機は明らかになっていないが、一方で「まじめすぎて人に何かを相談できなかったのかも」「何かを思い詰めていたのかも」と話す人もいた。
 まじめすぎる田中さんは精神的に落ち込むことがあったと証言する芸能関係者も。「2年ほど前に会ったときは、精神的に不安定で、明らかに様子がおかしかった。夫婦関係の悩みをポロリとこぼしていた」という。
 所属事務所によると、最近は2時間ドラマなどの仕事が多く、スケジュールは半年先まで決まっていた。4月からは毎週水曜日に後輩の演技レッスンを行っており、20日にも“先生”役を担当したばかりだった。
 私生活では、妻と高校生になる長男、中学生になる長女がいた。遺書などは見つかっていないが、池上署は自殺とみて動機などを調べている。
(2011年4月27日)


 自殺の原因についてその後もいろいろと芸能マスコミでは取りざたされています。ですが自殺の原因など本人にしか分からないものです。ひょっとしたら自殺を図った本人も究極のところは分からないのかも知れません。

 ただ、超人気の役者さんは別として、世間一般のテレビドラマで活躍される役者さんには固有の厳しい面があり、それが自殺というものに結びつくことが多分にありそうに思えます。

 例えば、芸能人の訃報では必ず代表作が載りますが、人によってはそのときに載る代表作がデビュー作だったり、デビュー間もない頃にご本人がまだ右も左も分からずやっていた頃の作品だけが挙げられることがあるわけです。そんなとき私がふと思ってしまうのは、失礼ながらまさかデビューしたとき、その作品が自己の生涯を代表する作品になるなど当人は思っても見なかっただろうということです。
 役者としての修練を積んで徐々に演じることの面白さ、奥深さを知り、演じていく。芝居にも重みが出てくる。ところが、その人にとって代表作はデビューの頃の作品…という…あることだと思うのですけど、そんなとき、その人の気持ちというのはどれほどのものなのか。

 そしてもう一面、役者稼業の何が大変かと言えば、いくら頑張ったからといってそれが成果に結びつくかどうかが見えないところにあります。何をもって認められるのかがさっぱり分からない。自己の努力とは別のところで評価が決まっていってしまう。それは世間のサラリーマンでも究極のところは同じ面があるのですが、俳優稼業はそれが極端です。1年先も2年先、ちゃんと仕事が来るかどうかも分からない。
 そういう厳しい中で生きていくにはなかなか強靱な神経がないとなかなか持たないものかも知れません。

 今回、田中実さんの訃報に接して最初の印象は、ただただ残念だ、という思いとともに、自殺という事実に、特段の驚き、意外性を感じなかった点でした。

 報じられているように田中実さんはデビュー間もないときNHKの連続テレビ小説『凛凛と』で主役を得たことで人気を得るわけです。連続テレビ小説で男性が主役を務めるというのはちょっと異例でラッキーな面も手伝ったわけです。そこに田中実さんの持つイメージも見事に作品にフィットして好評を得たのです。

 そういう人々の注目のまっただなかでデビュー間もない時期で脚光を浴びた田中実さん。その後、徐々に脇役へとシフトしていった。脇役でも確かに存在感のある、田中実さんらしさを感じさせる仕事を残していきます。普通に見ていれば、それはそれで十分素晴らしい生き方と思えるのですが、ご本人にとっては多少、複雑な思いがあったのかも知れません。
 今回の訃報で、所属していた芸能プロダクションの話が紹介されていました。


http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2011/04/27/kiji/K20110427000707580.html
Sponichi Annexより引用

仕事は順調だった田中実さん 半年先までスケジュールびっしり

 25日に都内の自宅で首をつって死亡した俳優の田中実さん(44)。自殺の可能性が高いとみられるが、26日に会見した所属事務所の岩澤和俊、鈴木誠司専務取締役は「理由は思い当たらない」と困惑の表情を浮かべた。
 田中さんは昨年12月に同事務所に移籍。若手俳優の演技指導も担当。仕事も順調で、半年先までスケジュールが埋まっていた。
. [ 2011年4月27日 09:15 ]


 最近は、若手の所属俳優の演技指導もやってもらってましたと…。う~ん。実はそのあたりに遠因があるようにも思えるのですがね。やはり田中さんにとっては裏方のレッスンの仕事よりも芝居そのものがしたかったのではないでしょうか。

 田中実さん、何かのきっかけで自分の「これから」が見えてしまったのかも知れません。これから仕事を重ねて、いつしか天寿を全うする。そのとき代表作とされるのは「凛凛と」になってしまう…そんなイメージがふと浮かんでしまった。これから俺は何を目指してやっていけばいいのか。そういう思いがふと目の前に浮かんでしまった…。ややありきたりな想像で申し訳ありませんが、どうしてもそういう印象が浮かんでしまうわけです。
 ですがそんな状況にある人は芸能人のみならず世間一般、たくさんいらっしゃいます。でもそこに何か生きる意味があれば張り合いも出るのでしょう。田中実さんの場合も普段はそういう張り合いがあって大丈夫だった。でもふとしたことでそういう思いよりも役者としての先行きのほうに思いがめぐってしまったのかも知れません。
 ただ「自殺」というと何か将来に悲嘆して死んだ、風にとらえてしまいがちですが、そうではないかも知れません。
 「もうこの世でやるべきことはないかも知れない」という思いはある意味、「やるべきことをやった」という満ち足りた気分だったのかも知れません。「今、死んだらいいことばかりで終われる」という気分が支配した。それは「魔が差した」といえるものかも知れませんが、その瞬間はわれわれが想像するほどの悲嘆ではなくひょっとしたら満足が支配していたのかも知れない。せめてもの救いとしてそう思いたくなります。

 我々に出来ることは、田中実さんがなぜお亡くなりになったのか、正解が得られることは永久にない謎を探るよりもいつまでも田中実さんの出演するドラマを見て語りついでいくことのようにも思えます。
 これからも田中実さんは再放送されるテレビドラマの中で、いつまでも清々しい印象を与えてくれます。そして見る人の気持ちを満たしてくれていきます。

 仕事が後世に残されていく。
 そのことこそ、実はテレビや映画で活躍する役者さんならではの素晴らしさだと思えます。

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