テレビドラマデータベースを運営していると、この端境期というのは結構忙しいのです。まず、終了した前期のドラマのデータを整理する必要があります。まさに今、せっせと前期のドラマデータを整理しているところです。スタッフ、キャストのデータを放送画面のクレジットを見ながらせっせとデータ入力し、放送終了のデータを入れたり、解説を付記したりしているわけです。また同時に新たにスタートする新クールのドラマの情報も揃えていきます。これは前期の後半あたりから収集できたものはどんどんアップしているわけですが今のタイミングでほぼ最終の放送開始日が出そろうわけです。このほか終了した期のベスト5を恒例的に募集していますのでその準備もすすめなくてはなりません。あるいはたまに「新クールのオススメのドラマを教えてほしい」といった取材をお受けすることもあります。
そして、これに加え、この時期に放送される単発のスペシャルドラマについてもせっせと視聴する必要がありました。端境期というのは、イコール、改編期ですからその時期に各局ともスペシャルドラマをどんどん放送していたわけです。
ところがですね、今クール、あるいは今年のはじめぐらいからでしょうか。ちょっとした異変が生じています。改編期の名物ともいえるスペシャルドラマが大幅に姿を消してしまっているのです。
念のため、先週はじめから今週にかけてゴールデンタイムに放送されるスペシャルドラマを並べてみましょう。
2009年
9月30日 テレビ東京 白旗の少女
10月3日 日本テレビ 左目探偵EYE
テレビ朝日 断絶
10月5日 フジテレビ 世にも奇妙な物語秋の特別編
10月6日 フジテレビ 誰かが嘘をついている
若干ヌケがあるかも知れませんがたったこれだけなのです。ドラマ好きにとっては実に淋しい状況と言わざるを得ません。
とりわけTBSはここしばらくスペシャルドラマに「気乗り薄」のようです。この10月期もTBSはゴールデンタイムにほとんどスペシャルドラマを出さない。これは、前述のような「コスト削減」という事情に加え、「スペシャルに力を入れているヒマなどない」という事情もあるのではないでしょうか。
即ち、まず局内の総力を挙げて不振続きの連ドラをテコ入れする、ということが最優先課題という事情があるのかも知れません。
こうして激減したドラマスペシャルの代わりにテレビ各局が何を放送しているのかといえば、「クイズ」やら「ものまね」「なつかしもの」といったバラエティー系の番組なのですね。
いったい何度、「ザ・ベストテン」のアンコールを観させられるのでしょう?いくら良く出来た音楽番組だったとはいえ、こうも改編期ごとに何度も繰り返し放送されると食傷せざるを得ません。最近はこれに加え、「8時だョ!全員集合」の名場面の放送も多いです。
しかもこれらが始末に悪いのは、「ザ・ベストテン」や「全員集合」の本放送時のオリジナルの原版から改めて面白い場面を抜き出しているわけでなく、かつて放送された名場面集などからの抜き出しが多いのです。「名場面集からの再利用の名場面集」なのです。これでは同じような場面ばかり見せつけられてしまうのは当たり前なのです。
結局のところ予算削減の一環なのですね。民放各局とも収支が非常にキビシイといわれております。したがってカネのかかるドラマよりも比較的コストがかからないであろう素材で間に合わせている、さらにその素材づくりでも手が抜かれている面が強いのだと思います。
また、ドラマスペシャルの中身にも異変が生じています。
かつて大量にドラマスペシャルが放送されていたころは、好評だった連続ドラマの新作スペシャルを放送することが多かったのです。ところが、最近はそういう「連ドラのスペシャル版」が激減しています。放送されるにしても単に連ドラを再編集しただけの総集編だったりするわけです。
これはコスト削減という事情以外に「スペシャルドラマ化」できそうな、ヒットした連続ドラマが減っているということもあるのも知れません。
このようにドラマ好きにとってはお寒い状況なわけですが、いい面もわずかながらあるように思います。
まず、金をかけずに面白いものを作ろうという作り手の創意工夫が生まれてくる可能性があります。物量作戦的な作品づくりではなく、前衛的な実験精神旺盛な作品が出てくるかも知れません。あるいは金のかかる大物脚本家ではなく、新人の脚本家に仕事が来る可能性も増えているかも知れません。
そういったところにちょっと期待してみたいと思うわけです。(そう思わないとやっていけませんし(^^ゞ)



















