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【映画評】幸福(1964年フランス、DVD視聴)

幸福 [DVD]幸福 [DVD]
(2009/04/24)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

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1964年、フランス映画
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
出演:ジャン=クロード・ドルオー、クレール・ドルオー、マリー=フランス・ボワイエ

 この映画を初めて見たのは十年ほど前。土日の昼間に「世界名画劇場」という番組でオンエアされていたのでした。はじめは何となくつけていた画面でしたが分かりやすい淡々としたお話ゆえ、「ながら視聴」でも十分ストーリーがつかめ、映像的にも実験的なカット割りでやがてお話に引きづりこまれいる自分にきづき、最後は画面にくぎづけだったのを覚えています。観終わってすぐ新聞のラテ欄を見て作品名をはじめて確認。なかなか強いインパクトがありましたが、いかにもありがちな話が淡々と進んでいったなぁ、でも凄みがあるなぁ、といったものでした。
 ところが数年経ってもこの映画の記憶は消えない。タイトルはいつの間にか忘れてしまってましたけど描かれていたものはさらに純化された存在として深く心に刻まれていきます。

 今回たまたま、モーツァルトクラリネット五重奏曲を不意に耳にして、この映画の記憶が再びまざまざと目に浮かんできたのでした。この映画の中ではこのクラリネット五重奏曲が絶えず流れていてそれが作品にマッチして極めて象徴的な存在だったことを思い出し、ネットで映画タイトルをつきとめ、アマゾンでDVDを入手して再見することにしたのでした。
 今回、観て、つくづく感じることは生きることのはかなさです。「人を愛してその人と幸せに歩んでいくこと」そういう漠然とした生きる意味のようなものを誰でも持っていると思うのですが、そういう観念がひょっとしたら表層的な理想的なものでしかないのではないか。もしかすると、ある意味意図的にDNAに組み込まれた子孫繁栄のためのプログラムでしかないのではないか。そう思わせる力がこの映画には漂っています。極めてありそうな風景の中でそういうお話が極めて淡々と進んでいきます。それだけにコワイ。
 表面的に男性のずるさなどを声高に、批判的に、描いていないだけに凄みがあるのです。

 ただこの映画のパッケージの解説はよろしくありません。ストーリーが細かく書かれていて、私が一回目に観たときの意外性がまったく台無しになってしまっています。また字幕がちょっと不親切。省略しすぎです。それだけご注意いただければいいかと存じます。

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