てれドラぶろぐ

テレビドラマ研究家の管理人が語るドラマなどの話題

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

書評「自負と偏見」(オースティン)

自負と偏見 (新潮文庫)自負と偏見 (新潮文庫)
(1997/08)
J. オースティン

商品詳細を見る


1997
新潮文庫
オースティン:著, 中野 好夫:訳

 読み終わって最初に出た独り言は、「あ~よかったなぁ~。イイ小説だったなぁ」というものでした。

 それにしても面白い…とにかく面白すぎる。

 巷の解説で書かれてあるように、筆者の観察眼の凄さがやはり光っているのでしょう。まずはダーシーのエリザベスへの告白シーンの熱烈さ、ある種滑稽さまでこちらに伝わってくる。その切実感も。そしてダーシーの不在時に彼の居館があるペムバリーを訪問したエリザベスが思いもかけずダーシーと再会する場面の異様な緊張感。恋を告白するところの高揚感、熱情…意識している者同士のぎこちない緊張といったものが、オソロシイほど的確に描写されています。読んでいるこちらも緊張してしまうほどです。
 そして何より個性的・知的・現代的なヒロインが魅力的です。こういう造形がこの作品を息の長い人気作品としている面があるように思います。

 いくつかの複数の文庫から本作は「高慢と偏見」などのタイトルでも出ていてどれを選ぶのか、ということになります。私の場合、昔から岩波文庫優先主義なのですが、本作についてはいろんなネット上の評判を比較検討し、最終的に新潮文庫版で読むことといたしました。この新潮文庫版の中野好夫氏による翻訳はやや時代を感じさせるものの読みにくいということもなくむしろ一定の格調高さもあって作品世界にフィットしていたような気がいたします。それにしても何か他の人の翻訳も読んでみたい気がするほどです。

 機関銃のようなセリフのやりとり。とりわけウンザリするようなミセス・ベネットたちの通俗的な言説が何となくこちらに伝わってきます。このあたり、どこか橋田寿賀子的な世界なのです。テレビドラマについていろいろ調べている者として、ついそういう感覚が出てしまいます。これまでどちらかといえば「橋田寿賀子」を買っていなかったのですが、おそらくは彼女もこういうオースティンの小説のような世界を標榜していたのではないか、と思えてきます。ということは方向性としては必ずしも間違っていなかったということなのでしょう。しかし肝心の観察眼が…、ということのような気がしてきました(笑)

 最近は読書傾向を一方向に偏らせず、海外小説の後は国内ノンフィクションとか、うまく配分するようにしてきたのですけど、今回オースティンの世界にものすごくハマってしまいました。また次のオースティン作品を読んでみたい気がしています。
 あと、本作を映像化したものとしては昔、NHKで放送された英国BBC制作のドラマが最も好評のようで、これをぜひ見たいと思っています。残念ながら市販のDVDは字幕のみで、日本語吹き替え版が収録されていないそうですが、これはぜひとも吹き替え版も収録されているものを出していただきたいと思います。

 あ、あとこれから読まれる方へ。
 登場人物の関係と出てくる地名が咄嗟に理解しにくい面があります。私はあまりこだわらず一気呵成に読みました。それでもほぼ理解できますが、ウィキペディアなどにある登場人物紹介などを手元に用意しながら読んだほうが理解しやすいかも知れません。

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。