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書評「新約聖書 福音書」(岩波文庫)

新約聖書 福音書 (岩波文庫)新約聖書 福音書 (岩波文庫)
(1963/01)
塚本 虎二

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1963
岩波文庫
塚本 虎二:訳

 ドラマと直接は関係のない本の話題です。
 オースティンの「自負と偏見」、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」と、この夏は西洋の名作といわれる小説を満喫してきました。その行き着く先が今回読んだ新約聖書の「福音書」ということになったようです。
 西洋の小説を読んでいると、どこかしら根底に流れている思考というものがあるように思います。その思考を辿るとどうもこの「聖書」に行き着くような気がしておりました。 今はあまり欧州でも読まない人も増えたとも言われる聖書ですが、それでもやはり根源には聖書が前提となっている思考プロセスがあると思えまして、その手掛かりとして今回、まず手頃な岩波文庫の本書から手を取ってみたという経緯があります。

 最初、なんだか、か細い字体の本文に、こりゃダメだ、岩波文庫ってたまにこんなことをするんだよな~、などと思ってしまいました。でも何とか読み始めてみると、あに図らんや、すらすらと読めてしまいます。

 聖書に関する知識もほとんどなく読み始めましたがなかなか読みやすくていいです。何よりも2000年近い昔に書かれて読み継がれてきた物語を今、読んでいるのだという感動がほのかに漂います。本書には4つの福音書が収められています。「マルコ」「マタイ」「ルカ」そして「ヨハネ」と時代順に収録されていますが、手前の3つの福音書はどれも同じ様なストーリーをやや形を変えて語られています。まるで微妙に違うリフレインを味わっているかのような感覚です。とりわけ心に染みたのは最初に読んだ「マルコ福音書」でしょうか。成立時期がもっとも古い「マルコ」がとりわけ素朴で味わい深いです。素朴だが味わい深い重みがあるのです。時代を経るに従って意図的な加色が加えられているような気がします。時代を経ていくにしたがって哲学的な重みをもった宗教の体裁が整えられていくような印象でした。
 読んでいると「マタイ」あたりの福音書で描かれるイエスは、かなり権力を持っているようなくだりがあります。ときにものすごく傲慢にも思える瞬間すらあるわけです。ところが「ルカ」「ヨハネ」と至ると慈愛に満ちたイエスの姿が前面に打ち出されてきます。とくに「ヨハネ」はかなり深い思想をたたえる素地がそこに生まれていることがうかがえます。

 いずれにしてもこの本を読んでとても良かった。そんな気がしました。この本はいつか再読したくなるような気がしています。
 次は時間を経て他の聖書、あるいはコーランなどにも手を伸ばしてみたいと思っています。

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