てれドラぶろぐ

テレビドラマ研究家の管理人が語るドラマなどの話題

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『ありふれた奇跡』その後

 1月開始の連ドラもそろそろ佳境に入ってきたようです。
 このうち、『ありふれた奇跡』は、以前の本稿記事において敢えて酷評させていただいておりました。だって、いくら山田太一好きの私でもよろしくないものはよろしくないといいたいわけです。
 そりゃ私も山田太一作品を追っていますから、山田太一フリークを相手にしたり、作家論として語る場ではこの作品にも楽しめる部分は大いにあるので価値観を共有した上で、という了解のもとで前向きな視点から語ります。ですがそれはしょせん、特殊な楽しみ方の領域です。山田太一作品だからといって他の作家と違う尺度で高評価することはしたくありません。確かにフリーク向けにはマニアックなところで楽しめるところはあるのですが、やはり一般的な視点ではこれは厳格にダメ出しをしておかないといけないと考えているのです。

 この物語、主人公二人がどういう人なのかが判然とせず、3回目あたりから徐々に全容が見えてきます。女性のほうは子供が生まれない体になってしまった悩みを抱えていたということが明らかになってきました。また、何の縁もないと思われていた主人公の男と女。実は父親同士が女装クラブで友達同士だったということが前回あたりで分かります。おいおい、そんな偶然あるのかいな、と思いつつ、ドラマの構造の組み立てでそれを不自然と感じさせない手腕だぜ!、と作り手は考えてもらいたそうです。いえいえ、やはり偶然としてはあまりに偶然すぎます(笑)

 そもそも山田太一さんよ、女装クラブネタもどこから出て来た話なの?どうも『真夜中の匂い』の後半部あたりで山口良一さん扮する埼玉さんが予言をはじめるあたりの展開を彷彿します。要は行き詰まっている。何を描こうかと思案しながらおもむろに書き進むうち、予定調和の世界に入ってきているような気配も漂います。
 山田太一ワールド全開、という声がありますがそれはどうにも気分が悪い。いにしえの山田太一好きの人たちからはどうにも芳しい声が聞こえません。そういえば「早春スケッチブック掲示板」ではどうも今ひとつ、という声がアップされております。
 導入から2回ぐらいからのフラフラとした展開で焦点がぼけていたお話。ここ2回ほどで収拾がつきつつある、といったところです。キレの悪かった演出もようやくぎこちないながらも山田太一ワールドを奏で始めていますがそれでも全体として調子の悪いときの山田太一ドラマ、といったおもむきです。
 まぁ、最後まで一応お付き合いしていこうかな、と観念することと致しました。

 今回、敢えて誉めると、バーの女性を懸命に励ます警察官と、その横で深く傷ついている仲間由紀恵、という図式。それを危うそうにながめている陣内孝則。という姿がなかなか山田太一らしい観察眼でありました。人というのはいつどこで誰を傷つけているか分からないのですね。だからこそ、細やかな優しさをせめてもっていたいものです。そういう意識が自然とわきあがるところは素晴らしい。

 それにしてもこのタイトル、『ありふれた奇跡』の「奇跡」とはこの女性に子どもが授かるということなのか。だとしたらご勘弁願いたいところなのですがね。
 ま、いずれにせよ、このドラマはまず山田太一さんの連ドラ復活のためのリハビリドラマだったということで、次回、もう一本、決定版の連ドラを見せていただきたいものです。

 ところで、この週末は一泊二日の強行軍で北海道・富良野に行ってきます。
 旅行のメンバーは以前、愛媛県へ『東京ラブストーリー』のロケ地巡りをし、一昨年には尾道に大林映画のロケ地めぐりをしたメンバー3人でして、今回の目的地は『北の国から』に出て来た露天風呂だそう。『風のガーデン』は冬場ということでなかなか困難そうです。

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