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てれドラぶろぐ

テレビドラマ研究家の管理人が語るドラマなどの話題

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テレ朝の過去番組保存状況はやはり悲惨か?

 昨日、2月8日、日曜日、テレビ朝日が開局50周年記念の回顧番組をどどっとオンエアしてくださりました。
 最近はこの手の回顧番組は珍しくなり、NHKがBS放送でやってる「お宝TV」ぐらいですが、今から20年ほど前はTBSが「テレビ探偵団」なる番組やら日本テレビでも木曜スペシャルあたりで定期的に懐古番組がオンエアされていました。その手の番組を一括りして「レトロ番組」と呼称していました。

 で、その当時から今日まで、ずっと気になってきたのがテレビ朝日の過去の番組の保存状況だったのです。
 当時、どの回顧(懐古)系番組でも自局だけでなく他局の映像も借りてきて流すこともあったわけですが、そこで流れる古い映像というのはほとんどがTBSや日テレの映像であり、それに続くのがNHK、フジという印象で、テレビ朝日の過去の映像というのはほとんど紹介されたことがなかったのです。NHKの場合は報道番組の映像はしっかり残っていたのですが娯楽系番組は保存価値がその当時は軽視されていたためか、かなりの人気番組ですらほとんど消去されて残っていないという悲惨な事実が明るみになっていました。
 一方、テレビ朝日の映像保存状況はどうなのか?こちらは判然としてこなかったのです。そもそもあの当時、各局が軒並み「レトロ番組」を放送していた中、テレビ朝日自体は一局だけほとんどその手の番組を放送しませんでした。ひょっとすると流したくても自局に残っている映像などほとんどなかったのではないか?そういう危惧がありました。
 その危惧には他にも根拠がありました。たまに流れる古いテレビ朝日の映像というとまるで家庭用ビデオで録画したようなザラザラの映像がほとんどだったのです。例えば今でも「徹子の部屋」の昔の映像というのが流されることがあると思いますがあの悲惨な画質はどうなっているのか?と頭をかしげたくなりませんか。俳優さんが亡くなられたときなどにその俳優さんが生前「徹子の部屋」に出演した映像を紹介することがたまにあるのですけど、その画質が驚くほど貧弱なのですね。1980年代、いや場合によっては1990年代の放送分の映像ですらザラザラの家庭用ビデオのような映像が「かろうじで」残っているという印象なのです。

 1970年代後半のテレビ朝日のスタジオドラマ、例えば渡哲也主演の『浮浪雲』は全く残っていないとかいう悲惨な話が聞こえてきたりします。かつてテレビ朝日では月曜22時台に「ポーラ名作劇場」というスタジオドラマの名門枠がありました。私も幼いながら一生懸命視聴していたのを覚えていますがそれらの映像なんてこの20年ぐらいの間に一度だって観たことがありません。まさか、これもみんな消えてしまっているのでしょうか。
 まさかとは思いますが、1980年代終わりからテレ朝が久々に自社制作したスタジオドラマ『避暑地の猫』や、それに続くスタジオドラマの力作群、『表通りへぬける地図』(山田太一)などの「シリーズ街」、万里洋子が主演したリメイク版の『氷点』など、ごく最近ともいえる作品群なのですが、本放送時以降、一度も観たことがありません。まさかこれも残っていないとか。。。
 いやまさかとは思いますがテレ朝の場合、ないとも言い切れないのではないか。ひょっとしてほとんど消してしまって残っていないのではないか。そういう危惧が頭をよぎってしまうのです。以前、東京新聞のコラムでもこの件については触れてみましたが、当然ながらテレ朝側からは何の反応もありませんでした。

 ということで、今回テレビ朝日で放送された「あのシーンをもう一度…超大ヒット番組ぜ~んぶ見せます!」はまさにそういう私が長年抱いてきた危惧を晴らしていただける可能性を秘めた注目の番組だったわけです。

 では結果はどうだったか。実は後半はさすがに退屈で「ながら視聴」してしまっていたので見落としている部分もあるのですが、結果は残念ながら、危惧が現実のものとなったのではないか??…というものでありました。

 一生懸命、編集されたスタッフの方のご尽力はただただ御礼申し上げたいところですが、残念ながら流される番組の映像はそのほとんどが外部制作の番組ばかり。しかもフィルム制作のものが大半です。フィルム制作はご存じの通り再利用が出来ませんから残りやすいのですね。一方、ビデオ素材の番組は、上書きして別の番組を収録することが可能ですからほとんど消されてしまっていたわけです。今回紹介された作品のうち少なくともドラマの95%以上はフィルム制作の外部作品でありました。

 結局、やはりテレ朝には70年代以前のビデオ撮りのドラマがほとんど残っていないということなのか?DVDでリリースされている『氷点』や『だいこんの花』は今回も番組内で紹介されていましたがそれ以外はほぼ全滅ということなのか。前述の「ポーラ名作劇場」なんてまったく出て来ませんでした。かすかに期待していたのは木曜9時の「ナショナルゴールデン劇場」枠の作品群が出てくることでしたが、これも前述の『だいこんの花』のほかは『フルーツポンチ3対3』ぐらいしか出て来ませんでした。

 例えば1970年代後半の山田太一が手がけた連続ドラマ、TBSやNHKでオンエアされた作品はほぼすべてが再放送で見ることが実現しています。ところが唯一、テレ朝で放送された山田太一の連続ドラマ、『緑の夢をみませんか』だけ、長らく再放送もされていないのです。これも放送されたのがテレ朝だったゆえ、やはり消されてしまったのでしょうか。あるいは一昨年、テレ朝が自局ドラマをリメイクした山田太一作品に『終りに見た街』というドラマがありますが、このリメイクではない元の作品は残っているのでしょうか。本放送以降、その断片すら見たことがありません。リメイク版が放送される際もオリジナル版はまったく断片的な映像すら紹介されませんでした。これもテレ朝は消してしまったのでしょうか。

 出てきたのは『特別機動捜査隊』『特捜最前線』『非情のライセンス』『遠山の金さん捕物帖』『素浪人月影兵庫』から『魔法使いサリー』『魔女っ子メグちゃん』『仮面ライダー』などの東映作品を中心とした、フィルムによる作品群ばかり。唯一、ビデオ撮りドラマでお!と思わせたのは『逃亡』という松本清張原作のスタジオドラマぐらいでしょうか。
 ドラマ以外では例えばこんな番組が紹介されました。「愛川欽也の探検レストラン」「カーグラフィックTV」「歌謡びんびんハウス」「華麗にAh!So!」「ネイチァリングスペシャル」などなど。その一方で「タモリ倶楽部」「川口浩探検隊シリーズ」などは紹介すらされなかったような気がします。(後半、ながら視聴になったので見落としただけかも知れません)あと、視聴者参加番組に映っている視聴者をボカシ処理で徹底的に見えなくしているのも驚きでした。権利意識が高まってこの手の番組の再利用というのがかなり難しい状況だと言うことがよく分かります。

 話を昔のドラマの保存状況の話に戻しますが、現在はご存じのようにCSなどで昔のテレビドラマなどがオンエアされる時代です。そのような機会に観た昔のドラマで活躍する若き日の役者を見て改めて今は老成された役者さんが再評価されたりしているわけですが、テレ朝をかつてメインステージとして活躍していた役者さんの場合、他の局で活躍した役者さんと比べると、過去の仕事がほとんど消去され再放送できないため、実は今、潜在的に大いに割を食っていると言っていいかも知れません。

 唯一、今後につなげる一縷の望みは、今回の番組が実は短期間で準備して制作したものゆえ、権利者への交渉などのプロセスに余裕がなく、「実際には保存されているのだけれどオンエアできなかった」番組が多少あるのだ、とかそういう可能性です(笑)

 ま、かなり可能性は低いながらもはやそんなところに期待を寄せなくてはならないほど悲惨な状況が今回の放送であからさまになった気がしております。
 まずは六本木で旧社屋からアークヒルズに移転するときにほとんど棄てちゃったのでしょうか。だとしたらバカなことをしたものです。そうでないことを祈ります。
 あとかすかに期待できるのは例えば前述の「ナショナルゴールデン劇場」のような1社スポンサー提供番組の場合、案外スポンサーサイドに現在も保存されている可能性があります。それらに期待するしかありませんね。ポーラ化粧品様、「ポーラ名作劇場」、残ってませんか?(笑)

 もし消してしまったのだとしたらそれをおおやけにしてほしいとも思います。今であれば例えば1970年代後半なら家庭用ビデオも普及していたわけですから一般視聴者からご厚意で映像を再収集できるかも知れないのです。そういうことをおおやけにもしないとどんどん古いテレ朝の番組映像は世の中から消えていってしまうのです。

(注)テレビ朝日は1977年以前はNET(日本教育テレビ)と称しましたが便宜上、文中ではすべて「テレ朝」で通しております。



補足です。文中では、万里洋子主演のリメイク版『氷点』は紹介されなかったと書きましたが、ホンの一部だけ番組内で紹介されたようです。あと、誤解をまねく書き方でしたが、『フルーツポンチ3対3』は「ゴールデン劇場」ではありません。

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