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てれドラぶろぐ

テレビドラマ研究家の管理人が語るドラマなどの話題

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銭ゲバ第3回

 日曜昼間に放送された「たかじんのそこまで言って委員会」。この番組、関東地区ではオンエアされていないそうですが、ゲストは若松孝二監督だし、コメンテーターには今回、重信メイ氏が出演してテーマにパレスチナとイスラエルの問題を掲げるなどなかなか見過ごせないものがありました。
 しかし恐らく作り手側の予想とは裏腹に若松監督は実に穏健的な意見でした。今の日本に革命というものが必要なのか、というテーマで討論した部分で「民主主義的な手続きが存在している今の日本なら、暴力的な革命ではなく、選挙という手段による民主主義的な政権委譲という方向をとるのが正解ではないか」とのご意見。ううむ、ごくごく普通の意見です。ま、長年重ねてきた多くの実践経験から出た結論だけに「普通」の中に重々しさも漂っていましたが。
 とはいえ、議論の中には、やはり若松監督らしさが漂う部分もありました。例えば日比谷公園の派遣村については、ああいうところに300人も集まるのなら、その勢いで国会に突入すればいいのではないか、そうすればその先に(刑務所の)ご飯が満腹食べられるのだからと。やはりしぶといご意見をお持ちのようです。となると、結局、若松監督は今回、放送という場を考慮した面も多いのでしょうねぇ。

 それにしても国会突入という、まるで60年安保の頃のような発言をそのまま放送してしまう、革命扇動とも捉えられかねない読売テレビの放送コードというのはなかなかものすごい。 日ごろ、この番組、田母神元空幕長をテレビメディアで最初に出演させるなどの印象が強く、今回のような企画はそれとの大きな意味でバランス感覚なのかも知れませんがそれでもものすごい守備範囲だと思わせられます。
 読売テレビ=日本テレビ系は最近、どうしたのでしょう?
 先日放送されたドキュメンタリードラマ『東大落城』もそうですし、何か局系列全体が風雲急を告げていませんか?70年代から長年、深夜枠でやり続けてきた「ドキュメント」シリーズの論調みたくなってきています。日テレに何が起こっているのか??

 そういう目でみると日本テレビ系で放送され、今クールのドラマの中で最も気を吐いているように映る『銭ゲバ』も同じ文脈の中に位置するものとして見えてくるから不思議です。

 第3回は演出がメインの大谷太郎からサブの狩山俊輔に移り、第2回の大谷演出が見せた躍動感が失われ、作品の流れが無意味に重々しく、少し滞留気味になった感も否めなかったです。ですが相変わらず、作品を貫く直線的なテーマはいささかも減じられていません。むしろますます鋭敏に目指すところを見据えているかのような印象を受けました。
 作品全体を覆う不気味な雰囲気は相変わらず保たれているし、マンガ原作ゆえの戯画的な描写も作品の重々しさを緩めることでテレビドラマの枠に収める効果を生んでいます。
 第1回で二人もの人間を無意味に撲殺し、いきなり過激な描写で目を引いたわけですが、第2回、第3回と、ところどころには過激なところがあるものの、明らかに放送上で差し障りが出そうな描写は控え気味であります。

 こういうタッチをみるにつけ、作り手は非常にしたたかではないかと気づかされるのです。恐らく、「良識的な勢力」からの妨害について多少とも意識しているのでしょうね。「良識的な勢力」は普段ドラマをそんなに眼を皿のように見ている連中ではありませんから、第1回目の放送時点ではまだそんなにこのドラマに気づいていなかった。そこでドドッと過激描写を打ち放ったわけです。そして第2回、第3回と回を重ね徐々にこのドラマが過激であるという世評が広まってきていきます。さすがに「良識的な人々」もこの番組の過激性に気づくわけですね。「良識的な勢力」は自らの存在意義を発揮する絶好の機会だと考えているかも知れません。目をサラのようにして見はじめている時分です。というわけで、ひょっとすると最終回近くまで、こんな感じで、直接的な過激描写は抑え進行するのかも、と思わせられます。
 最終回なら何をやっても打ち切りもクソもないわけでそのあたりで思い切り物凄い描写を放ってくれるのではないかと、作り手の「健闘」に期待したいところだったりしますが、果たして無事、最後まで打ち切りにもならずに到達できるのでしょうか。
 固唾を呑んで見守っていきたいと思います。

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