てれドラぶろぐ

テレビドラマ研究家の管理人が語るドラマなどの話題

「ユリイカ」2012年5月号 「特集=テレビドラマの脚本家たち」に寄稿しています

 申し訳ないことに長らくブログの更新が疎かになっていますが、今後も少しずつになるかも知れませんが、テレビドラマに関する文をアップさせていきたいと思っておりますので、ご高覧のほど、よろしくお願い申し上げます。

 近況ですが、現在発売中の二冊の雑誌にテレビドラマに関する文章を寄稿させていただいております。

 まず、ご紹介するのは、4月27日に発売された「ユリイカ」2012年5月号(青土社)です。
 特集は「テレビドラマの脚本家たち」。

 以下のようなラインナップになっています。

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「ユリイカ」2012年5月号
特集*テレビドラマの脚本家たち
  

【日常を異化する】
カンヴァセーション・ピーシズ 岡田惠和の恐さとは何か / 岡田惠和 [聞き手=成馬零一]
岡田惠和論 まだ恋は終わらない / 成馬零一

【エッセイ】
台本を投げるな / 堀川とんこう
テレビドラマに春が来た / 桧山珠美
書く動機 / 中江有里

【開拓者たち】
向田邦子 『家族熱』 ノート このドラマにおける主役は? / 高橋行徳
山田太一、あるいは 「愚痴の公共圏」 の可能性 / 長谷正人

【テレビドラマにできること】
テレビドラマの真ん中で / 坂元裕二 [聞き手=岡室美奈子]
水面に石を投げる 遊川和彦のドラマ世界 / 藤田真文
バラエティなドラマたち 放送作家のテレビ的冒険 / 太田省一
テレビドラマ、この密なるもの / 古崎康成

【徹底討議】
私たちがつくるドラマ史 トレンディドラマから 『カーネーション』 まで / 渡辺雄介×岡室美奈子×宇野常寛

【「愛」 についてのはなし】
解放の呪文はいかにして唱えられてきたか 木皿泉と 「愛」 の問題 / 宇野常寛
フィクションの力 連続テレビドラマ脚本家・渡辺あや / 石田美紀
野島伸司の確信犯的疾走 / 中町綾子

【予想不能な人間喜劇】
メタドラマの技法 テレビは娯楽の王様なのか? / 宮藤官九郎 [聞き手=岡室美奈子]
宮藤官九郎は 「普通」 を目指す ツッコミとフィクションの力 / 岡室美奈子
多層化するモノローグ 劇作家がドラマ脚本に重用されるワケ / 木俣冬

【対談】
ドラマな関係 脚本家とプロデューサーの幸福なマリアージュ / 大森美香×山口雅俊

【ドラマ豊饒の時代】
人間を描くためのディシプリン / 西田征史 [聞き手・構成=泊貴洋]
アンチ・ながら見! 古沢良太の熱と志 / 泊貴洋

【資料】
テレビドラマを楽しむためのキーワード集 / 古崎康成

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 どうです?すごいラインナップでしょ。雑誌の特集といってもかなりの分量ですよ。しかも読み応え満点。

 この中で私は、「テレビドラマ、この密なるもの」という論考と「テレビドラマを楽しむためのキーワード集」を執筆させていただいております。

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2012年1月期ベスト5と2011年度年間ベストテンを募集しています。

え~、皆様、現在、1月期のベスト5と昨年度の年間ベストテンを別の掲示板等で募集中です。あと数日で投票終了です。どうぞふるって投票のほど、よろしくお願い申し上げます。

1月期ベスト5
 掲示板での投票→http://6329.teacup.com/drama/bbs
 選択式での投票→http://www.tvdrama-db.com/best10result/p/id-41
           (投票受付中!の文字をクリックすると投票できます)

年間ベストテン
 掲示板での投票→http://6701.teacup.com/dradra/bbs
 選択式での投票→http://www.tvdrama-db.com/best10result/p/id-40
           (投票受付中!の文字をクリックすると投票できます)

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テレビドラマデータベース2011年10月期ベスト5決まりました

 すでに2012年1月期のドラマも佳境を迎えようとしている時期ですが、去る3月1日に拙サイト「テレビドラマデータベース」のユーザーの皆さまの投票による、2011年10月期のテレビドラマのベスト5の投票の集計が出ましたのでご報告申し上げます。

 テレビドラマデータベースでは、1997年からサイト閲覧の皆さまの投票による年間ベストテンを募集しており、まもなく開催される2011年度で15回目を重ねます。そして、この年間ベストテンとは別に、各クールごとにベスト5を募集しています。開始は1998年1月期。以降、この2011年10月期まで3ヵ月ごとに順位を決定しています。こちらもすでに13年です。

 結果をご紹介してみましょう。

 順位は以下の通りです。

★★★テレビドラマデータベース2011年10月期ベスト5★★★

1位 家政婦のミタ(日テレ)100ポイント
2位 カーネーション(NHK)99
3位 妖怪人間ベム(日テレ)85
4位 11人もいる!(テレ朝)71
5位 DOCTORS 最強の名医(テレ朝)61
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以下選外

6位 深夜食堂2(毎日放送)53
7位 専業主婦探偵~私はシャドウ(TBS)51
8位 カレ、夫、男友達(NHK)31
9位 南極大陸(TBS)30
10位 ラストマネー~愛の値段~(NHK)28


 投票の詳細はこちらのページでご紹介しています。投票された皆様のコメントも収録していますのでよろしければご覧ください。

http://www.tvdrama-db.com/best10result/p/id-37

 2011年10月期は、皆様もご記憶のとおり、最終回で視聴率40%を達成した『家政婦のミタ』が放送されたクールです。ドラマ好きのみならず、広く一般層にまで広がった『家政婦のミタ』の視聴習慣でしたが、さてドラマファンはこのドラマをどう評価しているのか、ちょっと興味深い思いを持っておりました。
 ちなみに私自身の『家政婦のミタ』に関する印象はすでに本ブログのこちらに記述しております。

『家政婦のミタ』に日テレドラマの躍進をミタ 2011-12-17(Sat)

 それではこの結果を順番にみてまいりましょう。
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「特撮」は「撮影」なのか「美術」なのか その2

 さて、前稿は「特撮」は「撮影」なのか「美術」なのか、という、私の永年の疑問について述べましたが、この疑問はもう少し根が深いのでもう少し掘り下げてみます。

 この「特撮」に関する疑問は、最近よくクレジット表示でみかける「SFX」という業務でも沸き起こるのです。この「SFX」という表記は恐らくこの10年ぐらいで普及してきた表示だと思います。
 一般にこの「SFX」とは「特撮」の別称と定義されています。ウィキペディアにもそのように説明されています。したがって「テレビドラマデータベース」上でも「SFX」のスタッフは、「特撮」と同じ判断で、「撮影」のところに記載しています。

 ところがですね、よく考えるとここでもその判断が正しいのかどうか、怪しいことになってくるのです。

 「SFX」とは「Special Effects」の略語なんですね。で、その「Special Effects」を日本語に直訳すると「特殊効果」となる。

 では、現在の日本のテレビドラマで「特殊効果」という業務は何を指すのかといえば、煙や霧、爆発、豪雨など、あるいは拳銃を撃ったときの火薬の薬莢が飛ぶ描写など、これらをやる仕事を指すのです。「特効」とも略されているこの仕事は通常、「美術」の領域に該当する仕事なのです。

 となると奇妙な結論が浮かび上がります。

 「特殊効果」と、日本語で表示した場合には「美術」なのに、その英語訳の略称である「SFX」と表記した場合には「特撮」ということで「撮影」欄に記載されてしまうのです。

 これも、よ~く考えていくとヘンだということになっていくのですよね。


 これらのことをあわせてみて、さらに前記事に書いた特撮スタッフのうち「CG」スタッフの業務が「美術」に近い業務であることもあわせて考えていくと、「特撮」というのは「美術」の欄に記載したほうが、実態からいくと、近そうな感じが強く漂うわけです。

 じゃあ、「美術」の項目に特撮スタッフを記載すればいいのでしょうか。いや、そういうわけでもないのです。

 そもそも「特撮」という言葉は、何の略なのかと考えてみると、「特殊撮影」の略なのです。すなわち、「特殊な「撮影」」という意味の言葉の略語なのです。ということはやはり「特撮」というのは「撮影」の範疇ということになるわけです。

 多くの人は特撮スタッフの名前を探すとき、「美術」欄ではなく、まずは「撮影」欄を探すのではないかと思えるのです。

 そうなると、「データベースとしての使いやすさ」という点から考えると、「特撮スタッフ」は「撮影」欄に記載しておくほうがいい、ということになるわけです。

 難しいですよね。
 現状のテレビドラマデータベースではこういう熟慮を経て、特撮スタッフを(操演などを除き)「撮影」領域に記載するという結論にひとまず落ち着けているわけです。

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 余談ですが、「特殊効果」という業務を考えるとき、ふと、「大平特殊効果」というプロダクションが思い浮かびます。会社の名前に「特殊効果」と称しているのですが、これが何のプロダクションなのかといえば、私の記憶では、映画「二百三高地」以降に東映が制作した「日本海海戦 海ゆかば」などの戦争映画でこの「太平特殊効果」が特撮を担当しているのを映画館でクレジット表示でみかけたように思うのです。「大平特殊効果」の場合は、当初、爆発シーンなど本来的な「特殊効果」を担当してたのが、ミニチュア特撮なども担当するようになり、特撮プロダクションという位置づけも加わったのかも知れませんが、会社名に「特殊効果」と付けた会社が特撮を担っているということは本来的に「特撮」は「美術」業務とかなり近い存在の業務であるということを示しているように思えるのです。

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「特撮」は「撮影」なのか「美術」なのか

 ページ作者は日々、テレビドラマデータベースにドラマをどんどん登録する作業を行っています。
 そんな作業の中で、どうも悩ましい事柄があったりします。

 その一つが特撮スタッフをどこに記載するのがベストなのかという悩みです。
 ドラマデータベースに入力する際、「特撮スタッフ」を「撮影」「美術」のどちらに記載するかが悩ましいところだったりします。
 カメラの機構を使って二重撮影などを行う、あるいはスクリーンプロセスのような、1970年代以前から存在してきた、そんな程度の「特撮」なら、そのスタッフを「撮影」の欄に記載して間違いないと思えます。

 ところが最近の「特撮」はそんなレベルではないのですよね。
 最近のCG処理やビデオ合成などの「特撮」は、むしろ「美術」に近い領域のように映ります。映像的に「描いている」という感覚です。どうみても「ペイント」作業に近い、絵心をもってやらねばならない、アニメーションの美術に近い作業ではないでしょうか。
 そうなると、いつのまにか「特撮」の中身が「撮影」的なものから「美術」的なものに変化してきているということになりそうです。
 といいますか、いつか近い将来、アニメと実写はほとんどニアリーな世界になっていくように思えるわけです。
 しかし、だからといって内容毎に「特撮」スタッフを「撮影」と「美術」とに記載を分けて記載するのも難しいです。そんな細かくわけたとしてもかえって分かりにくいだけとも思えるからです。したがって現在は一律に「撮影」欄に記載しています。
(ただし、例えば、空を飛ぶ飛行機をミニチュアで実際にピアノ線で吊って飛ばす、「操演」と呼ばれる作業は明らかに「美術」なのでそちらに掲載しています。また、より原始的な特撮ともいえる「視覚効果」と呼ばれる作業に従事するスタッフは「美術」の項目に記載しています。)

 一方、テレビドラマデータベースはテレビアニメーションも収録対象なのですが、アニメの「CG」スタッフは「美術」の欄に記載しています。これはセルアニメにおける「美術」領域の作画作業が「CG」に置き換わったと判断できるためです。

 これらの結果、現状のドラマデータベースでは、実写ドラマの「CGスタッフ」は「撮影」の欄に記載され、アニメの「CGスタッフ」は「美術」欄に記載されるという不整合が起きています。
(ただし、「実写」ドラマでもタイトル表示にかかわる「CGスタッフ」は「美術」蘭に記載しています。)

 まぁ、このあたりはどうしようもないことかと思ってはいるものの、日々のドラマデータベースの入力作業の中ではどうにもちょっと割り切れない思いを抱いているわけです。

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テレビドラマデータベース2011年10月期ベスト5の投票を募集しております。

 拙サイト「テレビドラマデータベース」ではサイトをご覧下さっているドラマ好きの皆さまから各クールごとにベスト5を募集し、その投票を集計したベスト5を公開しております。1998年からスタートして14年を数えるまでになっています。

 今般、この企画の2011年10月期のドラマのベスト5の投票募集が開催中です。

 投票は選択投票式のページと掲示板に記述していただく形式の2形式を用意しています。皆様の投票をお待ちしております。よろしくお願い申し上げます。


《選択投票式》
http://www.tvdrama-db.com/best10result/p/id-37
(「投票受付中!!」の文字をクリックすると投票ページに飛びます)

《掲示板記述式》
http://6329.teacup.com/drama/bbs

 締切は、1月31日です。どうぞ、どんどんご投票をお願い申し上げます。

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大河ドラマ『江』をめぐって

 さて、2011年の大河ドラマ『江』は残念ながら評判は芳しくなかった。開始早々、非難囂々。これまでの「大河ドラマ」の発想を超える「スーパー時代劇」的な展開を意図したが、導入間もない段階で、史実にこだわらない物語展開に対しての抵抗の声や、歴史が当時10歳に満たないヒロインを中心に動いているかのような描写に、「大河ドラマ」ファンを中心に疑問が寄せられた。

 以下は、その代表的な声である読売新聞の鈴木嘉一氏の批評だ。
 読売新聞2011年2月22日付の記事「「江」のご都合主義に違和感」より引用してみる。

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 「敵は本能寺にあり」。2月に入り、NHK総合で明智光秀(市村正親)のこのセリフを何度聞かされたことだろう。大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」で、序盤の山場となる本能寺の変を売り込む番組宣伝スポットだ。宣伝につられたわけではないが、6日放送の第5回と13日の第6回を見て、強い違和感を覚えた。上野樹里が10歳足らずの少女を演じるのは、かなり無理がある。とはいえ、これは演出方針としてひとまず目をつぶるにしても、見過ごせないのは本能寺の変後。野武士に捕らえられた江が明智勢に引き渡され、安土城で光秀と対面する場面だ。
 16日に開かれた放送総局長の定例記者会見で、黒木隆男・副総局長は「江の若い頃は記録がなく、不明の部分が多い。そこはフィクションで」と説明した。もちろん大河ドラマは歴史の教科書ではなく、史実を踏まえたうえでのフィクションとは十分承知している。
 しかし、「あったかもしれない可能性」と「どう考えてもありえない絵空事」とは違う。江が「なぜ伯父上のお命を奪ったのですか」と光秀を問い詰める設定には、リアリティーも説得力も全く感じられなかった。
 噴飯ものは、信長も光秀も死を前にして江の名を口にし、遠くにいる江に語りかける場面。死に際に吐く言葉だろうか。物語の展開も周囲の人物の描写も、主人公をひたすら引き立てるためにあるとしたら、それこそ「ご都合主義」という。
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 鈴木氏は大河ドラマに関する著書も出している、ある意味、大河の大家。よほど腹に据えかねたのか、上記の文章を加筆改変して月刊ドラマ誌にも同様の批評を載せておられる。そこに感じられるのは、NHKの過去の大河を手がけた重鎮たちの「声」だ。鈴木氏は大河に関する著書も出しておられて、過去の大河の重鎮たちから声を聞く機会も多かっただろう。私の目には、この批判、過去の大河の制作陣からの声を代弁したものに聞こえるのだ。ある意味、制作中の現制作陣へ重鎮からの「イエローカード」にも映った。

 一方、脚本の田渕久美子さんは著書「毎日が大河」(幻冬舎刊)でこう語っておられる。

毎日が大河毎日が大河
(2011/12/23)
田渕 久美子

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『家政婦のミタ』に日テレドラマの躍進をミタ

 『家政婦のミタ』が恐ろしいほどの話題となっています。

 小学校では、子どもたちが家政婦のミタさんの物まねをしまくっているそうです。そういえば、昨冬も同じような現象がありました。そう『Q10』でも前田敦子扮するロボットの物まねを小学生たちが学校でしていたそうですがその比ではありません。

 こういう風に社会現象になっていくというのはまさにテレビドラマがヒットしていくときに同時発生するもののようです。今回、それを久々にリアルで経験した気がします。

 脚本の遊川和彦さんは、これまでも『女王の教室』など多数の話題作を手がけてこられた方です。その作風の特長は何といっても、導入部でグッと視聴者を引きつける、圧倒的な「誘引力」でしょう。独特の設定をキャラに持ち込むことがウマく、そこでググッと視聴者をひきつけてしまう。そして一挙に引っ張っていくわけです。

 ただ、多くの作品では、残念ながらそれがラストまで持続しない。だんだん話が破綻していくケースが非常に多かった。中盤以降、行き当たりばったりの展開になってしまうことが少なくなく、ひょっとしたら導入部だけカッチリ考えるけどその先はあまり細かく考えずに突入しているのではないか、とさえ思わせることもありました。

 もっとも、ストーリーの骨格をキッチリ作り込んでドラマをはじめることがテレビドラマの作劇として最上というわけではありません。視聴者のビビッドな反応をドラマの展開に盛り込んだりいろんなスタッフ・キャストの意見をフィードバックしてドラマ展開を考えていくほうが生き生きとした話が出来上がるという考えもあるわけです。しかし、ドラマを一つの「作品」と考える、ドラマファンの間にはこういう作り方は何か邪道に映ってしまいがちなのですね。ドラマファンの間でも、これまで遊川さんの作品に若干の抵抗を感じる向きがありました。私もその一人で、せっかく面白く始まった物語が途中でどんどん破綻していく。主人公の衝動的な、行き当たりばったりの行動で話自体がグシャグシャになっていって大いに落胆させられることが少なくなかったのです。

 したがって遊川さんの場合は冒頭部の誘引がラストまで持続する比較的短い回数の連続ドラマや単発ドラマで本領を発揮されることがこれまで多かったようにみえます。
 最近の遊川作品を見ても、直前の連ドラの成功作といえる『女王の教室』(2005)から今回の『家政婦のミタ』(2011)までの6年間。その間に製作された作品のうち、高い評価を受けた作品としては、『リミット~刑事の現場2』(全5回)と『ニセ医者と呼ばれて~沖縄・最後の医介輔~』(単発)が挙がります。いずれも短い。したがって冒頭の勢いで最後まで突っ走れてしまう面があるわけです。一方、この期間の10話以上の長丁場の連続ドラマとしては『曲げられない女』『リバウンド』があるわけですがいずれもラストまでその誘引力を持続させられませんでした。『曲げられない女』における、司法試験を長年すべってきた菅野美穂扮する女性、『リバウンド』における、食べることが生きがいの女性・相武紗季のデブぶり。いずれも「オオッ」と冒頭部でひきつけられるわけです。しかし、いずれも途中までしか興味は持続せず、中盤以降は場当たり的な展開に陥って精彩を欠いていったのです。

 今回の『家政婦のミタ』の構造も、冒頭で家政婦のミタという特異なキャラの人物を登場させたところまでは同じ構造です。細かくみていくと今回の『家政婦のミタ』でもドラマ中盤で中だるみのような箇所もなかったとはいえませんでした。長谷川博己扮する父親が「これからどうやっていけばいいのか」と悩んでいる描写はまるで作り手である遊川和彦さんの苦悩を示しているのではないかと思えたほど。

 ですが、今回は何とかうまい具合に乗り切った。最後まで無事着地させてくれそうです。まだ最終回まで予断を許しませんがどうやら心配は杞憂に終わりそうです。
 『女王の教室』でも同様でしたが、こういう、導入部でググッとひきつける書き手はウマく書き進めて視聴者の興味を持続させることができた場合には今回のような大きなヒットにつながる。そう実感させるものがあります。

 それにしても、この手の現象化したドラマというのは久々でした。やや狭い範囲での現象としては、テレ東の『モテキ』ぐらいでしょうか。

 そして、こういうドラマが日本テレビから生まれた、という点も見逃せません。私は『家政婦のミタ』は日テレだから実現できた、そう思っています。そのあたりをちょっとさぐってみましょう。
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テレビドラマデータベース2011年1月期ベスト5決まりました

 どうも更新がとおのいた状態が慢性化していてすいません。

 すでに7月期のドラマもはじまろうとしている時期ですが、先日、拙サイト「テレビドラマデータベース」のユーザーの皆さまの投票による、1月期のベスト5の投票結果の集計が出ましたのでご報告申し上げます。

 テレビドラマデータベースでは、1997年からサイト閲覧の皆さまの投票による年間ベストテンを募集しており、2010年度で14回目を重ねています。そして、この年間ベストテンとは別に、各クールごとにベスト5を募集しています。開始は1998年1月期。以降、この2011年1月期まで3ヵ月ごとに順位を決定しています。こちらもすでに13年目です。

 投票を募集したのは今年の4月ですので終わって間もない時期です。集計が遅くなって面目次第もございません。
 遅ればせながら結果をご紹介してみましょう。

 順位は以下の通りです。

★★★テレビドラマデータベース2011年1月期ベスト5★★★

1位 デカワンコ(日本テレビ)80ポイント
2位 てっぱん(NHK)66
3位 四十九日のレシピ(NHK)64
4位 TAROの塔(NHK)58
5位 相棒 season9(テレビ朝日)37
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以下選外

6位 最上の命医(テレビ東京)34
7位 外交官・黒田康作(フジ)33
8位 美しい隣人(関西テレビ)27
9位 冬のサクラ(TBS)26
10位 スクール!!(フジ)25


 投票の詳細はこちらのページでご紹介しています。投票された皆様のコメントも収録していますのでよろしければご覧ください。
http://www.tvdrama-db.com/best10result/p/id-34

 1月期は開始当初からやや低調な印象でありました。そしてそれに加えご存知のとおり、3月11日に発生した東日本大震災の影響で大半の連続ドラマが終盤のところで中断や延期などの影響を受けてしまいました。
 結果として、全体として投票の量もいつものクールよりはやや低調であったように思います。

 そんな中でも他のドラマを引き離して1位に輝いた『デカワンコ』(日テレ)の好調は光っていました。
 特段、ドラマ好きというわけでもない、ごく一般のテレビ視聴者も満足させながら、ドラマ通をも満足させるという、できそうでなかなかできないところを見事に実現させてくれました。このあたり、長年、魅力的なドラマを多数手がけてこられた伴一彦さんならではのプロフェッショナルな仕事といえるかも知れません。個人的には昨年6月に放送された伴一彦さんの単発ドラマ『離婚シンドローム』も好きでして、こうした大人の夫婦のドラマを手がける一方でこういうコメディタッチのドラマまでをサラッと手がける腕前はさすがであります。

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週刊現代「テレビドラマベスト100」の選考に参加しました。

 すいません。更新がご無沙汰になっていますが、告知です。

 7月4日(月)に発売の週刊現代(講談社刊)で「決定!懐かしのテレビドラマベスト100 本物の家族と本物の刑事がいた時代 あの頃、日本人は幸せだった…」という、テレビドラマの歴代ベスト100を識者の方々20名で選定する企画が掲載されています。

 この「ベストドラマ選定委員会」のメンバーに私も参加させていただいております。

 ぬぁんと!14ページにわたる企画で、山田太一氏や倉本聰氏もインタビューに登場されております。
 書店、コンビニ等でお手にとってご覧ください。

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